HSPが自己愛さんから自分を守る対処法(第3回)

こんにちは、心理カウンセラーの立花やよいです。

このシリーズでは、
繊細さややさしさを持つHSPさんが、自己愛的な人との関係で疲れやすい理由、
そしてそこからどうすれば抜け出していけるのか?を3回に分けてお届けしています。

そして、いよいよ最終回となる今回は、

もうこれ以上、疲れたくない
でも、どうしたらいいのか分からない…

そんなふうに感じているあなたへ向けて、
HSPさんのやさしさを守るためにできる4つの対処法を、心を込めてお伝えしていきますね。

疲れたHSPと、気にせず立ち去るナルシストの対比イラスト
HSPさんが疲れきっても、相手はどこ吹く風…
目次

自己愛さんは変わらない。でも「自分の反応パターン」には気づける

自己愛さんとのやり取りのあと、

まるで鉛のように心も体も重たくなって、何も手につかなくなってしまった

そんな経験はありませんか?

最初はとても魅力的で、
まるで自分のことを深く理解してくれるかのように感じた
優しさや共感的な言葉に惹かれて、安心して心を開いたはずなのに。

いつの間にか、
「私がもっとこうすればよかったのかも」
「私が何か間違っていたのかな」
そんなふうに、自分を責めてしまっていなかったでしょうか。

でも、それは

あなたがやさしく、誠実に関係を築こうとしていただけなんです。

それなのに、気づかないうちに…

  • 相手に尽くしすぎてしまう
  • わかってもらおうとして、言葉を尽くしてしまう
  • 関係を壊したくなくて、我慢してしまう

そうした反応には、あなたのやさしさがちゃんと込められています。
でも、そのやさしさが一方通行のまま循環しない関係で使われると、
自分の心がすり減っていってしまうんです。

あなたのやさしさは「誰に向けるか」を選んでいい

HSPさんは、
相手の気持ちにすぐ気づいて、そっと手を差し伸べようとしたり、
つい自分のことを後回しにしてしまいがちですよね。

私もそうでした。
過去に何度も「自己愛トラップ」にはまり、
気づけば心身ともにぐったりと疲れ切って、動けなくなってしまう…
そんなサイクルを、何度もくり返していました。

でも、やさしさを向ける相手を、意識的に選ぶようになってから
ほんとうに、心が楽になったんです。

あなたが、これまでの「誰にでも与えてしまう」パターンを手放して、
やさしさを向ける相手を選び直すことは、あなた自身の心を守る、大切な選択です。

この関係、しんどいな…どこかおかしいかも

そう感じたあなたの感覚は、 ちゃんと正しかったんです。

たとえば…

  • あなたの時間を割いてまでした気遣いを、受け取って当然と感じている人
  • あなたが丁寧に伝えた気持ちを、感謝もせず当然のように流してしまう人
  • あなたが精一杯応えても、「もっともっと」と終わりなく求め続ける人

そんな関係の中でやさしさを注いでも、
あなたの心は、すり減るばかりだったはずです。

それでも、我慢してがんばり続けてきたのなら

あなたが疲れきってしまったのは、当然のことなんです。

だから、どうかこれからは、
あなたのやさしさを、ちゃんと受け取り、あたたかく返してくれる相手を選ぶこと。

それは「わがまま」なんかじゃなくて、あなたがこれからもやさしくあり続けるための、

ほんとうの意味での思いやりの循環なんです。

じゃあ、どう対処すればいい?

自己愛さんの言葉の攻撃から自分を守る決意を示す女性のイメージ


自己愛的な人との関係から、少しでも楽になるために、
具体的にどうすればいいのでしょうか?

一番の対処法は、もちろん自己愛さんとの距離をとること

でも、そう簡単に離れられない関係もありますよね。
でも、職場、家族、パートナー……そう簡単に物理的な距離をとれない場合も、たくさんあると思います。

そんなときは、まず「心の距離」をとることから始めてみましょう。
ここでは、今日からすぐに意識できる、4つの大切な対処法をご紹介しますね。

自分を「説明」しすぎない

残念ながら、自己愛的な人というのは、
あなたがどんなに丁寧に、一生懸命言葉を尽くしても、
あなたの気持ちを、本当に理解しようとしてくれることは、期待できないことが多いんです。

真剣に、あなたの言葉に耳を傾けてくれる、ということも、あまり期待しない方が良いかもしれません。

それどころか、
時には、あなたが話した言葉を、彼ら自身の都合の良いように歪めて、
あなたを「攻撃する材料」にしてくることさえ、あるかもしれないのです。

ナルシストは、相手の気持ちを理解する気がありません。
どれだけ理由を説明しても、聞く耳は持っていないのです。

彼らに理解してもらおうと頑張るよりも、
まずは、あなた自身を守ることを、少し意識してみてください。

あなたの内面を、無理にわかってもらおうとせずに、
あれこれ詳しく説明しようとしなくても大丈夫です。

彼らが深く立ち入ってこられないよう、ほんの少し距離をとる
そんなイメージを心に描いておくと、ずっとラクになりますよ。

心の中を見せすぎない

自己愛的な人は、あなたの「弱さ」や「心の隙間」を、まるで獲物を探すかのように、じっと観察しています。

安易に内面をさらけ出せば、そこを巧妙に利用して、あなたをコントロールしようとしたり、ときには、攻撃材料にされてしまうことさえあります。

彼らにとって人間関係は、支配できるかどうかの“ゲーム”のようなもの。
あなたの反応を注意深く見ながら、「この人はコントロールできるか?」と、いつも測っているんですね。

本当に心を開く相手は、信頼できて安心できる人だけで大丈夫。
自己愛さんに、あなたの感情や考えを共有しなくてもいいんです。

反応しすぎない

否定的な言葉をぶつけられたり、理不尽に怒られたりすると、つい感情が揺さぶられてしまいますよね。

だって、私たち人間ですもの。それは、ごく自然な反応です。

でも、実はあなたのそのリアクションこそが、彼らの歪んだ喜び を満たす“燃料”になってしまうんです。

だから、ここはすこしがんばって冷静に、スルー。

まるで透明な壁があるかのように、何も返さないことが、あなた自身を守るためのとても大切な方法です。

あなたの感情的な エネルギーを無駄に与えないこと。
無反応は、彼らにとって最もつまらないものであり、あなたを守る強力なバリアとなります。

自分を整える時間をつくる

長いあいだ、心理的に支配されていたと感じる方ほど、
自己肯定感が深く傷つき、本来の感覚が麻痺してしまっていることがあります。

少しずつでいいので、「ありのままの自分」を取り戻すために、
自分の“感覚”と“時間”を整えていくことから始めてみましょう。

・信頼できる人に話を聞いてもらう、
・ ガスライティングについて知識を深める。
・ゆっくりと休息をとる、好きな音楽を聴く、 温かいお風呂に入るなど、
小さなことから、あなたの心が安らぐ時間を少しずつ取り戻していきましょう。

あなたには、やさしさを守る「権利」がある

どんなに頑張っても、どんなに気をつかっても、
うまくいかない関係って、たしかにあります。

それはあなたが足りないからでも、あなたの感じすぎでも、わがままでもありません。
そもそも“対等な関係”が成立していなかっただけなんです。

これまで、あなたは、
いろんなことに気づき、相手を思いやろうとしてきたはずです。

でも、これからは、あなたの心のセンサーが教えてくれる「違和感」を大切にしてください。

そして、あなたのやさしさを注ぐ相手を、あなたが選ぶ権利があることを忘れないでください。

本当にあなたを大切に思う人は、あなたの感情に耳を傾け、尊重し、対等に関わろうとしてくれるはずです。

これからは、

「自分がどんな関係を選びたいか」「やさしさをどう使いたいか」

その舵取りを、自分の手に戻していきましょう。

今までずっと、がんばってきましたよね。
だから、これからはそのやさしさを、自分にも向けていきましょう。

舵を握り、花を手にしたHSP女性が微笑んでいるイラスト

このシリーズを通して、少しでもあなたの心が軽くなり、これからの 関係 を見つめ直すきっかけになれば幸いです。

▶ このシリーズの過去記事はこちら

・第1回:HSP・エンパス vs 自己愛さん「なぜHSPはナルシストに狙われやすいのか?」

・第2回:「繊細すぎ」と言われたら、それ、ガスライティングかも

あなたの“心のセンサー”は、どんなサインをくれていましたか?

「これっておかしいかも」「なんだか苦しい」
そんな小さな違和感の中に、あなたを守るための大切なメッセージが含まれていたのかもしれません。

あなたのやさしさが、これからは安心できる関係の中で、あたたかく循環していきますように。

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