HSP・エンパス vs 自己愛さん「なぜHSPはナルシストに狙われやすいのか?」
「なんで私ばっかり、責められるの?」
最初は優しかったのに、今は地雷ばっかり…
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
当時ははっきり気づけなくても、少しずつ
「なんだか変かも」「もしかして利用されてる…?」
そんな違和感が積み重なって、気づけば心がクタクタに疲れきってしまう
努力すればするほど、うまくいかない。
がんばってもがんばっても、どんどん関係が苦しくなっていく。
もしかしたら、その相手は【自己愛さん(いわゆるナルシスト的傾向のある人)】だったのかもしれません。

こんにちは、心理カウンセラーの立花やよいです。
HSPさんからのご相談を受けていると、
実際には「相手の問題」なのに、
「自分が悪いのかも…」と責めてしまう方が、本当に多いんです。
そしてそのまま、自分が巻き込まれている構造に気づかないまま、
消耗し、苦しみ続けてしまう…。
そこで今回から3回に分けて、
HSPが無意識にターゲットにされてしまう構造と、
そこから少しずつ抜け出していくためのヒントをお届けしていきます。
まずは第1回。
そもそも、なぜHSPはナルシスト(自己愛的な人)に狙われやすいのか?
そんなお話から、いっしょに見ていきましょう。
優しさが奪われる仕組み
最初は魅力的で、ユーモアもあって、
あなたのやさしさや気づかいを「こんな人、初めて」と喜んでくれる
そんなふうに始まった、心地よい関係だったはずが、
いつの間にか
なぜか「自分のために尽くしてくれる存在」として扱われている。
あなたの共感力・やさしさ・気遣いが、
その人のエネルギー補給のために、無断で「おかわり」されている状態に…。
そう、それが自己愛さん(ナルシスト的傾向のある人)との、
共感が一方通行になりがちな関係性です。
自己愛さんの「根っこ」にあるものとは?
自己愛さんの中には、こんな信念が根づいています:
「自分は特別で、大切にされて当然」
「他人は、自分を満たすための道具」
こうした強い特権意識と、底なしの承認欲求が、彼らの根底にあるのです。
でも、そうした内側には、大きな空洞
自分に対する確かな自信がなく、安心感を得られない不安定さが隠れています。
だから彼らは、自分を満たしてくれる存在を求めて、いつも誰かを探している。
自分では埋めきれないその空洞を、他人からの愛情・共感・賞賛で埋めようとしているんですね。
そして、その「供給源(サプライ)」としてぴったりはまってしまいやすいのが、
HSPやエンパスのような、共感力と気づかいを持ち合わせた人たちなんですよね。
「それそれ!そういうの待ってた!」とばかりに、
あなたのやさしさをゴクゴク飲み干す。
まるでエネルギードリンクのように。

で、満足したら、またおかわり。
しかも無断。しかも何度でも。
自分ばかりが気を使っている。
感情のはけ口にされる。
「もっとこうしてよ」と、次々に求められる。
気づけば、空っぽになってるのは…こっちの心。
でも、あなたが疲れ果てていても、
彼らは、平気な顔でこう言うんです。
「繊細すぎじゃない?」
「気にしすぎでしょ」
「そんなことで怒るなんて、被害妄想じゃない?」
まるで、こちらが間違っているかのように。
……え?
盛ってたの、そっちじゃない?
何度も何度も「感情のおかわり」してたの、そっちじゃなかった?
それなのに..
もう、まるで感情の「共感サラダバー」
勝手に盛って、勝手に食べて、おかわりして、しかもお会計はこっち持ち。
もしかしたら、あなたの優しさはもう
「自己愛さんのエネルギードリンク」として消費されていたのかもしれません。

なぜHSPがターゲットにされやすいのか?
自己愛さんは、
満たされない心の空洞を埋めるために、
他人の共感ややさしさを「補給源」にして生きています。
言いかえれば、他人のエネルギーに依存している構造なんです。
HSPやエンパスのように、
「人の気持ちをすばやく察して、放っておけない」人。
彼らは、そういう存在を嗅ぎ分けるのが本当にうまい。
あなたの相手を思う気持ち。
察する力。優しさ。共感の深さ。
それらすべてが、自己愛さんにとっては
「都合よく使えるエネルギー源」になってしまう。
彼らにとってHSPは、
「理解してくれる・傷つけない・尽くしてくれる」
そんな、理想的なターゲットなんです。
つまり、とても都合がいい相手なんです。
もちろん、HSPはこの関係を望んで選んでいるわけではありません。
でも、巻き込まれやすい構造の中にいるんです。
外から見ている人には、こう言われることもあるかもしれません。
「なんでそんな人と関わっちゃうの?」
「最初から気づけなかったの?」
でも…
ナルシストの本性って、そう簡単には見抜けないんです。
ナルシストは、とても巧妙で、
欲しいもの(=あなたのやさしさ・共感・配慮)を手に入れるためなら、
🔸 魅力的な言葉
🔸 さりげない嘘
🔸 受け身の攻撃
🔸 支配、コントロール、そして操作…
どんな手でも使います。
そうやって、じわじわ近づいてくる。
そしてHSPさんって、
つい「自分が悪いのかも」と考えてしまいやすい。
相手が不機嫌だったり、怒っていたりすると、
「私が何かしちゃったかな…」って、自分を責めてしまう。
でも、それって
やさしさにつけ込まれているだけかもしれません。
あなたが「助けたい」「応えたい」と思って差し出したやさしさが、
じつは相手の「支配」だったとしたら?
そのやさしさ、「誰のため」に使われてる?
あなたの中にある「助けたい気持ち」は、本当に尊いもの。
でももし、そのやさしさが、
相手の欲求を満たすためだけに消費されていたとしたら…?
ここで大切なのは、自分を責めることではありません。
「この関係は、対等だったかな?」
そうやって、そっと立ち止まってみることです。
やさしいあなたが、
なぜか一方的に「疲れている」としたら、
その理由には、ちゃんと構造的な背景があるのです。
あなたのやさしさは、
誰かの満たされない心を埋める「燃料」じゃない。
もしかしたら今、
そのやさしさを 「自分自身に向ける番」 なのかもしれません。

この記事が、あなたのやさしさを守るきっかけになりますように。