トラウマ克服の新アプローチ:SIBAMと自律神経のバランスの秘訣

バランス

こんにちは!

パラダイムシフトセラピーの心理カウンセラー立花やよいです。

 

最近、クライアントさんからお話を伺っていて、

HSPの人が自分の才能を発揮できない原因のほとんどが、

「過去のトラウマ」によるものだと感じています。

繊細な気質が、傷つきやすさをもたらすこともありますよね。

 

この記事では、トラウマの克服に向けた新しいアプローチである「SIBAM理論」に焦点を当て、そのアプローチと新たな自律神経の関係について解説します。

 

HSPの敏感な気質は、あなたの大きな強みです。

トラウマを克服し、HSPの持つ潜在能力を開花させるために、最後までお読みいただければ幸いです。

 

目次

トラウマとは?

 

トラウマとは、過去の辛い出来事によってできた「心の深い傷」です

自分の意志に関係なく、身体の反応を引き起こして日常生活に支障をきたす状態のことをいいます。

 

たとえば、

● フラッシュバック:

子供時代にネグレクトを受けた人が、通りすぎる人々を見て幼少期の孤独感を思い出し、急に寂しさや孤立感に襲われる

● 過覚醒:

虐待されて育った人が、大声で話す人の声を聞くと、過去の虐待時の声に似ていると感じ、心拍数が上昇し不安や緊張が高まる

● 回避行動:

過去のネグレクトを回避するため、人との関係を遠ざけることで思い出さないようにする

といったことなどが該当します。

 

トラウマの克服に向けた新アプローチ:SIBAM理論とは?

 

SIBAMとは、「人間の体験の全体(記憶)を形成する5つの要素」のことで、ソマティック・エクスペリエンスの創始者であるピーター・リヴァインによる概念です。

この5つの要素をバランスよく取り入れることでトラウマの解決を試みます。

 

SIBAM理論

 

1.Sensation(身体感覚):

身体はトラウマを記憶します。身体のどこに緊張や不快感を感じるのか、身体との対話を通じて、ありのままの感覚を受け入れる方法を学びます。

2.Image(イメージ):

トラウマを負った人の意識下には、恐怖体験がイメージとして冷凍保存されています。それが時おり解凍された時にフラッシュバックやパニック発作といったつらい症状が起きてきます。イメージは安全なものに変えることが可能です!イメージの色を変えたり癒やしの要素を追加することで、トラウマの影響を和らげることができます。

3.Behavior(行動):

トラウマによって、回避行動や過剰な反応などが起きていることがあります。安全な環境で新たなアプローチを取り入れ、行動を変えていきます。回避行動に立ち向かうことで、トラウマに対するコントロール感を回復させることができます。

4.Affect(感情):

トラウマは、不安、イライラ、怒り、恐怖、無力感などの強い感情を引き起こすこともあります。これらの感情が日常生活や対人関係にどのような影響を与えているか、気づいて受け入れることが大切です。書く、絵を描く、音楽を聴くなど、感情を表現する方法を見つけることも、感情の安定を取り戻す手助けとなります。

5.Meaning(意味):

トラウマは個人の価値観や信念を歪めることがあります。その出来事に対する意味付けや解釈を見直していきます。トラウマが人生全体に与える影響や、成長の可能性に焦点を当てることで、トラウマを乗り越える力を育みます。

 

ターゲットは自律神経です

 

ポリヴェーガル理論

 

従来の自律神経理論は交感神経(アクセル)と副交感神経(ブレーキ)の二元論でした。

新たな自律神経の考え方である「ポリヴェーガル理論」は、

副交感神経の中でも重要な迷走神経を腹側背側の2つに分けて、

これに交感神経を加えた3つの神経の働きによって身体の調節が行われるとされています。

 

腹側(ふくそく)迷走神経

繋がりや安心感を高める神経です。この神経が働くことで、リラックスや安定感が増し、他者とのつながりや安全な状況をより感じやすくなります。

背側(はいそく)迷走神経

生命の危機を感じた時に反応する神経です。身を守るためにフリーズ(凍りつき)反応を調整しています。

 

従来、ストレスへの対処には闘争または逃走(Fight or Flight)反応が唯一の手段と考えられてきましたが、

ポリヴェーガル理論によれば、生命が脅かされた際にはもう一つの背側迷走神経が主に働くとされています。

 

たとえば、サバンナでは、インパラがチーターの狩りから逃げられず捕食されそうになると、身体はフリーズ(凍りつき)反応に移行します。

まるで「死んだフリ?」しているように見えますが、これは無意識下での生理反射なんです。

肉食獣は捕食の際に抵抗を感じると食べ物と認識し、食欲が刺激されますが、

動かなくて柔らかい状態の動物をかむと、食べ物ではないと認識し、食べるのをやめる可能性があります。

もし生存の可能性がなくても、フリーズ反応が起きていれば、意識を失い、苦しみを軽減することができるのです。

 

インパラ

 

トラウマを克服するには耐性領域を広げること

「耐性領域」とは

耐性領域はわたしたちがストレスや感情的な刺激にどれだけ耐えることができるか、そしてその刺激にどれだけ適切に対処できるかを示す領域のことです。

トラウマがある人は耐性領域が狭い、といわれています。

 

耐性領域

 

\安心してください/
耐性領域は広げることができます!

腹側迷走神経が活性化されると、リラックスや安心感、他者とのつながりを感じやすくなります。

そして、心と身体が安定して、ストレスへの耐性が高まるのです。

つまり、

腹側迷走神経の働きが活発になれば、わたしたちは耐性領域内で、適切に刺激に対応できる

バランスが取れた状態になる、ということです。

 

まとめ

 

トラウマを克服するためには、SIBAM理論と自律神経のバランス調整がとても重要です。

ポリヴェーガル理論の視点から、単純な交感神経と副交感神経の二分論ではなく、

特に迷走神経の調整がトラウマ克服に役立つことが明らかになっています。

 

感覚、イメージ、行動、感情、意味を統合するSIBAMアプローチと

自律神経のバランス調整を通じて、トラウマの回復をサポートしていきます。

 

トラウマが引き起こす身体の反応は、闘争や迷走反応などがありますが、

自己防衛によるものです。

自律神経は環境に対して生理反射を行い、あなたを守ってくれていること

これを心に留めておきましょう。

 

自分自身と対話し、自己理解を深めながら、

自分を優しく受け入れることで、

あなたがより充実した人生を築いていくことを心より願っています。

インパラ

 

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