会議で発言できないのは、話し方の問題ではありません
話し方の本も読んだ。
事前に意見をまとめて、手元にメモも用意した。
「今日こそは発言しよう。」
そう決めて会議に臨んだはずなのに。
「○○さん、どう思う?」
指名された瞬間、頭の中が真っ白になる。
さっきまであった言葉が、霧のように消えていく。
喉がきゅっと締まって、声が出ない。
「……えっと、そうですね……」
結局、何も言えなかった。
隣の同僚はスラスラと話してる。
なんなら、自分が言おうとしてたことを、あっさり言ってのける。
会議が終わって席に戻る。
悔しさと情けなさが、じわじわ込み上げてくる。
「考えてないわけじゃないのに。」
「意見がないわけじゃないのに。」
メールなら書ける。一対一なら話せる。
資料にまとめるなら、むしろ得意なくらいだ。
なのに、会議になると、まるで別人みたいに固まってしまう。

こんにちは、心理カウンセラーの立花やよいです。
「会議で発言できない」というご相談を、本当にたくさんいただきます。
そしてその多くの方が、スピーチ講座に通ったり、話し方の本を読んだり、すでに色々と努力されてきています。
それでも変わらなかったのは、努力の方向ではなく解決する順番が違っていたからです。
今日はその仕組みについてお話ししていきますね。
なぜ練習したことが、会議では全部飛んでしまうのか
緊張して話せないから、話し方講座やスピーチ講座を受けてみたり、
上司から「結論から言え」と注意されて、それを意識するようにしたり、
本を読んで勉強したこともあるかもしれません。
「結論から話しましょう。」
「大きな声ではっきりと。」
「要点を3つにまとめておきましょう。」
どれも、間違ったアドバイスではありません。
実際、それで話せるようになる人もいます。
でも、実際の会議ではどうだったでしょうか。
準備しているときは「これなら堂々と発言できるかも」と思えた。
なのに、いざ会議が始まって、自分の番が近づいてくると、練習したことが全部きれいに吹き飛んでしまう。
それは、
パソコンがフリーズしているときに、キーボードを必死に打ち込んでいるようなものなんです。
会議で身体は「緊急事態」のスイッチが入っています。心臓がドキドキして、呼吸が浅くなり、思考が強制終されている。
その状態で「結論から話しましょう」と言われても、結論どころか、自分が何を考えていたかすら分からなくなるのは当たり前です。
つまり、話し方のスキルが足りなかったのではなく、スキルを使える状態じゃなかったんです。
明日の会議は、うまく話そうとしないでください
「じゃあ、明日の会議はどうすればいいの…?」
大丈夫です。
フリーズしたパソコンで、無理に重いソフトを動かそうとすると余計に固まりますよね。
それと同じで、うまく話そうとするほど、身体はもっと緊張してしまいます。
だったら一度、ちゃんと話そうとするのをやめてみませんか。
明日の会議で目指すのは、立派な発言をすることではなく、フリーズしたまま無事に乗り切ること。
ハードルは、とことん下げてしまいましょう。
1. 「話す」をやめて、「うなずきとメモ」に徹する
「何か喋らなきゃ」と思うから怖くなるんですよね。 だったら明日は、声を出すのをすっぱり諦めて「うなずきとメモ」だけに集中してみてください。
しっかり頷いてメモを取る姿を見せるだけで、周りは「この人はちゃんと参加してくれている」と安心します。
2. 困ったときの一言を、ひとつだけ決めておく
会議で急に振られたとき、完璧な答えを返そうとしなくて大丈夫です。
ボールが来たら、そのまま誰かにパスすればいい。
「○○さんの意見に近いです。」
「少し整理して、後ほど共有させてください。」
どちらかひとつ、メモの端っこに書いておいてください。
逃げに見えるかもしれませんが、これは立派な応答です。
「いざとなったらこの一言でいい」という抜け道があるだけで、身体の緊張がまるで違ってきます。
3. 頭が真っ白になったら、足の裏を感じる
これ、地味ですが意外と効きます。
フリーズが起きると、意識が全部「頭」にのぼってしまうんですよね。ぐるぐる焦るのに何も出てこない。あの状態です。
そんなときは、机の下でそっと両足の裏を床にベタッとつけてみてください。
靴の中で、足の裏が床に触れている感覚。そこに意識を向けるだけでいいんです。
頭に集まっていたエネルギーが、すっと下に降りていく感覚があると思います。
ドキドキしている心臓に「落ち着け」と言っても言うことは聞いてくれません。身体には、身体から安心を伝えてあげるほうがずっとうまくいきます。
誰にも気づかれません。会議中、いつでもできます。
「話せない」のではなく、身体が「今は話すな」と判断している

でも、そもそも、なぜ会議室のあの空気が、そこまで怖く感じてしまうのでしょうか。
「話し方のテクニックは分かった。でも、いざとなると身体が動かないんだよ……」
そう感じてしまうのは、あなたの身体の中に「安全ルール」が残っているからです。
「ヘタに目立つと責められる。」
「間違えたら否定される。」
「余計なことを言うと、痛い目に遭う。」
身体は、そのルールを守り続けています。
「いま話すと危険だ!」と判断して、緊急ブレーキをかけているだけなんです。
だから、会議のたびに同じ反応が起きる。
話し方を練習しても、気合いを入れても、身体のルールがそのままである限り、同じブレーキがかかり続けてしまいます。
話し方を練習するより先に、必要なこと
あなたに必要なのは、話し方のテクニックを増やすことではありません。
「ここでは発言しても大丈夫。」
「間違えても、否定されない。」
そんな感覚を、身体に少しずつ教え直してあげること。
それは、スピーチ講座では扱ってくれない領域です。
でも、身体が安心を覚え直していくと、不思議なくらい自然に、声が出るようになっていきます。
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固まってしまう私。
声が出なくなる私。
言いたいことが言えない私。
その子たちには、それぞれ役割があります。
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