言いたいことが言えないストレスは、心より先に身体で始まっています

言いたいことが言えないストレスと身体のフリーズ反応を表したイラスト

「あの時、なんで『嫌です』って言えなかったんだろう。」

帰り道や、夜ベッドの中で、

頭の中で今日の会話を何度も巻き戻しては、一人反省会が始まる。

「あの時、こう言えばよかった」

 「なんで、あの一言が出なかったんだろう」

仕事の打ち合わせや友人との会話で、本当は少し違和感があっても、「あ、大丈夫です」と流してしまう。

理不尽なことを言われても、その場ではヘラヘラ笑って受け流してしまう。

伝えたい気持ちはあるのに、言葉が喉の奥で止まってしまう。

後からじわじわと込み上げてくる。

イライラ、悔しさ。

そして、また言えなかったという強い自己嫌悪。

言いたいことが言えないストレスで一番しんどいのは、言えなかったその瞬間よりも、後から押し寄せてくるこの行き場のない気持ちだったりしますよね。

言いたいことが言えず、一人で膝を抱えて落ち込んでいる人のイラスト

こんにちは、心理カウンセラーの立花やよいです。

「仕事が続かない」「なぜか人間関係で擦り減ってしまう」

そんなご相談を伺っていくと、「言いたいことが言えない」ことで、ずっと我慢を重ねられてこられたんだなあと感じます。

相手の気持ちや場の空気がわかるからこそ、

「ここは黙っておこう」と、言いたい気持ちをぐっと飲み込んでしまうこと、ありますよね。

でも、頭ではこれでいいと思っていても、身体の方は誤魔化せません。

帰り道のモヤモヤ、イライラ、ずっしりとした疲労感。それは、身体が出しているサインなんです。

目次

伝え方を学んでも変わらなかった理由

自分の気持ちを伝えられるようになりたくて、

コミュニケーションの本を読みあさったり、アサーションも学んでみた。

「主語を『私』にして伝えましょう。」
「まずは相手に共感してから本音を伝えましょう。」

次こそは実践してみようと心に決めて、実際に自分なりに頑張ってみた。

ストレートには言えないから、できるだけ柔らかく。
相手を傷つけないように言葉を選んで、
笑いながら遠回しに、本音を包んで伝えてみる。

でも、結局うまく伝わらない。
うやむやになって、また同じことが繰り返される。

最後は、自分が我慢する。

なぜ、土壇場になると本音が言えなくなってしまうのか。

その理由は、伝え方の問題ではありません。

言おうとした瞬間、身体で何が起きているか

言いたいことがあるのに、喉の奥で言葉が止まる。

「大丈夫です」と笑って誤魔化してしまう。

実はこれ、頭で考えるよりも先に、身体がフリーズ反応を起こしているんです。

相手の表情ばかりが気になって、視野がぐっと狭くなる。

相手が何を言っているのか、頭に入ってこなくなる。

思考が真っ白になって、どう返せばいいか分からなくなる。

まるで脳にモヤがかかったように、身体が勝手に「笑って流す」という安全装置を働かせてしまうのです。

言葉を選べなかったわけでも、考えがなかったわけでもありません。

身体が恐怖や緊張を感じて、一瞬で固まってしまっているんです。

だから、一人の時間になって冷静さを取り戻すと、「ああ言えばよかった」とちゃんと自分の気持ちが浮かんでくる。

あの瞬間だけ、身体が言葉を止めているんです。

安全のルール+毛布をかぶったイラスト

その反応の奥にある「安全のルール」

では、なぜ身体はブレーキを踏むのでしょうか。

きっと、そうするだけの理由が、これまでの人生の中にあったはずです。

自分では忘れていても、身体はとてもよく覚えています。

自分の気持ちを素直に言ったら、困った顔をされた。

「余計なことを言うな」と遮られた。

自分の言葉で場の雰囲気が悪くなった。

そんな体験が繰り返されると、身体は「本音を言わない方が安全だ」というルールを覚えていきます。

黙っておく方が、一番安全だった。

だから大人になっても、身体はこのルールで動き続けます。

頭では言ってもいいと分かっていても、身体が許してくれない。

上司にも、パートナーにも、友達にも、言いたいことが喉で止まってしまうんです。

話し方を変える前に、必要なこと

伝え方のテクニックを学ぶことももちろん大切ですが、その前に、

「ここでは言っても大丈夫。」
「本音を出しても、否定されない。」

そんな感覚を、身体に少しずつ教え直してあげてほしいんです。

具体的には、こんな小さなことからで十分です。

喉と胸を、物理的に緩めてあげる

本音を飲み込んだ日は、喉の奥や胸のあたりがガチガチに緊張しています。深くため息をついて、ガクンと肩を落とす。温かいタオルや手で喉元をじんわり温める。まずは、そんなふうに身体をゆるめてあげるのも効果的です。

一人の場所で本音をつぶやいてみる

その場でうまく言えなくても大丈夫です。帰り道や一人になれる部屋で、「本当は嫌だったなー」「ちょっと困ったなー」と、ぽつりと声に出してみる。まずは喉の力を抜いて、小さな本音を口にしてみることから始めてみてください。

小さな「言えた」を身体に覚えさせる

「今日何食べたい?」「どっちがいい?」——絶対に怒られない場面で、いつもよりほんの少しだけ早く「私はこれがいい」と答えてみる。そんな小さな成功体験を、身体に積み重ねていきましょう。

こうした身体の緊張をゆるめ、安心感を育てていくことは、コミュニケーション講座ではあまり扱われない領域です。

けれど、身体が安心を覚え直していくにつれて、喉で止まっていた言葉が少しずつ、自然と出てくるようになっていきます。

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頼まれると断れない方はこちら。

怒られると頭が真っ白になる方はこちら。

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我慢してしまう私。

本音が言えない私。

言いたいことを飲み込んでしまう私。

その子たちには、それぞれ役割があります。

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